1720「元塾生A君の軌跡(奇跡)&塾長さんの熱い思いを語る」

今から67年前の出来事です。

 

電話口の向こうからお母さんが訴えます。

「うちの子でも大丈夫でしょうか。」

聞けば、1年生の男の子で、

先日の学年末テストが悲惨な結果でどうしていいのか分からず、

もうここエキスパートしかないということで電話を掛けたとのこと。

 

テスト結果を尋ねると、

中学1,3学期末テスト結果

国語;24点、

社会;12点、

数学;36点、

理科;0点(答案用紙は白紙ではありません、名前も書いています)

英語;27

合計;99

 

おー、100点切ってるやん!

 

これは心配されて当然だ。

 

早速3者面談をしました。

 

A君は人見知りをするのか私の顔もまともに見れず下を向いたまま。

お母さんは矢継ぎ早に質問

「何とかなりませんか、先生。」

「こんな成績で行ける高校があるんでしょうか。」

「家では真面目に勉強をしているはずなんですが、

提出物もしっかり出しているみたいなので。」

 

お母さんちょっと落ち着きましょう。

一つ一つ質問にお応えしますから。

 

1つ目

「何とかなりませんか。」

何とかなります。

但し、彼が努力をしてくれるなら、何とかなります。

 

2つ目

「こんな成績で行ける高校があるんでしょうか。」

こんな成績でもあります。下には下があります。

だけどこんな成績のままで高校受験しようとは思っていないですよね。

 

3つ目

「家では真面目に勉強をしているはずなんですが、

提出物もしっかり出しているみたいなので。」

 

提出物を見た限りではA君は真面目に取り組んだことは分かります。

ただテストの点に結びつくような取り組み方はしなかったようですね。

提出物をやったからと言ってテストの点が伸びる保証は一つもないですよ。

 

その日は体験授業の日取りを決めて帰ってもらいました。

 

体験授業では彼がどれほどの学力の持ち主なのかを確かめます

(テスト結果でほとんどわかるんですが念のため)。

そして勉強姿勢はどうか、

字は丁寧に書けるのか、

一人で黙々と勉強のできる子なのか、

私に質問のできる子なのか、などなど。

 

んん、

正負の計算はままならないな、

Be動詞をたずねても答えられないか、

小学漢字も不確か、教科書の音読も詰まる詰まるのフン詰まり、

これは大変だぞ、

だけど彼の真面目さだけはとても感じました。

 

こんな真面目な子なら何とかなるはずだ。

何とかしてあげたい、

塾長さんの心に闘志の火がメラメラと。

 

そしてA君と塾長さん二人三脚が始まりました。

 

私の第一印象通り真面目さは卒業するまでの2年間貫き通してくれました。

 

誰にも負けないほどの努力をしたかもしれません。

与えた宿題は必ずやってくるし、

テスト前の対策授業では一人残って4時間5時間と机に向かっていました。

 

しかし入塾してすぐには努力の成果は見られませんでした。

塾長さんも悩みました。

どうしたらいいのか、彼は頑張っているのに、

結果が出せない。

 

今振り返るといろいろなことを試した気がします。

速読訓練、速聴訓練などもやってみました。

 

親御さんも辛抱強く見守ってくれたと思います。

努力の成果が表れたのは中3になってからです

1年以上かかったことになります)。

 

中学3年、1学期中間テスト結果です。

国語;50点(1年の学年末より26点アップ)、

社会;74点(1年の学年末より62点アップ)、

数学;76点(1年の学年末より40点アップ)、

理科;51点(1年の学年末より51点アップ)、

英語;54点(1年の学年末より27点アップ)、

合計;305点(1年の学年末より206点アップ)、

 

A君は中学生になって初めて300を超えたので喜んでいました。

塾長さんもやっとほっとしました。

よくここまで伸びたものだと感心です。

 

そう言えば質問の内容も次第に変化していきました。

初めの頃は質問ができず、

こちらからできなかった問題の説明をしました。

そのうち、この問題の解説はこうなっているけど、

なぜそうなるのか分からないといったような、

よく考えた末の質問になってきました。

おっ、分かってきているなと内心彼の成長を喜んだものでした。

 

そして公立高校合格発表の当日、

〇〇造形高校合格おめでとう!

 

世間からすればトップそして中堅高校ではありませんが、

普通科ではない美術系の特色ある高校へ見事合格しました。

 

彼の希望が普通科へは行きたくなかったそうです。

合格した高校は標準より少しだけしたかもしれません。

しかしA君なら世間で言われている中堅校なら合格したと思います。

 

本当におめでとうです。

 

A君自身が口にしたセリフが思い出されます。

なんか俺、賢くなってきているように思う。

勉強したことが理解できているような気がする。

以前なら学校の先生は何を言っているのか、

何を教えているのかよく分からなかったけど、

今なら分かると。

 

「なんか俺、賢くなってきているように思う」

このセリフって最近小5の男の子の口からも聞きました。

 

そうなんです。

努力は裏切りません。

自分の能力を信じて、

塾長さんを信じて、

日々努力すれば、願いは必ず叶います。

今現在、いくら成績が悪くても、

ヤル気さえあれば何とかなります。

中堅高校までなら何とか入ることはできるでしょう。

 

このエキスパートってそういった子が集まる塾かもしれません。

 

決して出来はよくないけど、

そしてどんくさいけど、がんばる気はある。

そしてそんな子を決して見捨てない塾長さんがいる。

 

最近そんなことを思います。

 

おまけ、今日のひとこと(少し古いですが)
『世界が、そうだ。
自由を求め選ぶべき世界が目の前に広々と横たわっている。
終わらぬ夢がお前たちの導き手なら、
超えてゆけ、
おのが信念の旗のもとに!』ワン・ピースより

 

御拝読ありがとうございました。

 

 

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