アメリカで行われた実験です。
男の先生が小学2年生から4年生の男の子22人の前に、
おもちゃ4個とロボット1個を並べ、
「このロボットで遊んじゃいけないよ。
もしロボットで遊んだら、すごく怒るからね。
その時にはこちらにも考えがあるからね」
と警告し数分間部屋を離れます。
その間ロボットで遊んだ子は2人だけで
残りの子たちは1度もそのロボットに触らなかった。
見つかったら罰せられるという強い脅しは功を奏しました。
そして6週間後、
こんどは別の女の先生が同じ子たちに、
同じロボット1個と同じおもちゃ4個を見せ、
先生は用事があるから君たちは
これらのおもちゃ(ロボットも含みます)で
遊んでもいいと言って部屋を出ます。
ただし以前の男の先生とは一切関係ない素振りをします。
すると面白いことにおもちゃで遊んだ子どもの中で
77%が以前禁止されたロボットで遊びました。
そして次に
同じ年ごろの男の子22人を集めて、同じ実験をします。
ただし今回は、
「このロボットで遊ぶことは悪いことだから、
このロボットとは遊ばないようにね」と言葉を変えました。
禁止命令に従わせるための強い脅しで怖がらせることはしませんでした。
その結果はというと、1人だけがその禁止されたロボットと遊びました。
そしてまた6週間後、
同じ女の先生が同じ実験をします。
その結果はというと、
そのロボットと遊んだ男の子の割合は33%に下がりました。
これは何を意味するのでしょうか。
言葉の強い脅しよりも、
遊ばせないようにするには、
そうするように指示するだけで十分だということです。
男の子たちは、
ロボットで遊ばなかったのは、
自分がそうしたくなかったからだけなんです。
この実験は子育てに1つのヒントを教えてくれます。
仮に
ウソをつくことは悪いことだよと教えたいとき、
「ウソついたら、舌を引っこ抜くよ」と
いったような強い脅しで言うのではなく、
「ウソをつくことは悪いことと自分が分かっているから嘘をつきたくない」
ということを子どもに納得させる方が効き目があるということです。
但しこれを諭すには、お子さんによってまちまちです。
ある子どもには単に、
「ウソをつくのは悪いことだから、ウソをつかないでね」
でいい場合もあるし、
または、幾分強力に、
「もし嘘をついたら、お母さんは見損なっちゃうよ」
とちょっと付け足しがいるお子さんもいるでしょう。
大切なことは、
子どもに望ましい行動をとらせることができ、
同時にその行動に対する責任は自分自身にあると感じさせる理由を
用いるということです。
外からの圧力を含んでいることが
悟られないような理由ほどいいというわけです。
子ども自身が納得できる声掛け、
これってむずかしいですけど、
とても大事なことと思います。
今日の一言
「自分の意思に反して賛同した者は、
元の意見を持ち続ける」サミュエル・バトラー
そうでしょうね。
御拝読ありがとうございました。
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