この本と出会ったのは今から20年ほど前、
エキスパートという塾を開いて8,9年ごろです。
開業当初は若さと勢いだけで塾運営をやってきましたが、
塾長さん自身の実力向上をめざし、
そして指導方法がこのままではアカンと反省し、
いろいろと教育関係の本を読み始めたころでした。
今までで読んだ教育関係の本はざっと数えてみると80冊ほど、
多いのか少ないのかは分からない。
たぶん少ないでしょうね。
世間では
「専門書を10冊も読めば、あなたはもうその分野のエキスパートです。」
これはウソですね。
塾長さんが思うには、
「専門書20冊以上読んで尚且つ実践を踏めば、
もうあなたはその分野の初心者です。」かな。
いろいろな仕事が世間にはあふれていますが、
その道のプロをなめてはいけません。
命がけでかかっていかないとつぶされるのがおち。
前置きはこれぐらいにして、
この本の紹介に進みましょう。
ズバリ
「考えることはイメージを操作すること」を勉強の基本原理として、
なぜ右脳を使った勉強法がいいのかを説明した本です。
この本に出てきた言葉をいくつか紹介します。
1、「わかるとはイメージ的にわかることで、言葉で説得されたものではない」
湯川秀樹先生のお言葉です。作者の師にあたるそうです。
子どもへの声掛けも、
子どもたちに「わかりましたか」と質問するよりも、
「どんなイメージが描けたか」と質問すれば、
イメージが描けない子は「描けません」と答えることができ、
わかっていないことがわかるということ。
なるほどそうですね。
2、右脳勉強法の5原則
①勉強しようと意識する
(最初に全体のイメージを頭に描くこと)
②右脳のイメージを動員する
(勉強とは暗記することではなくてイメージで理解すること)
③楽しいことは何度でもできる
(勉強は楽しくなければダメ)
④不能過勉強、やり過ぎは禁物
(繰り返してマスターすることはいいことだが、無意味な反復は逆効果、
子どもを無気力にさせ、自律神経失調症に陥る危険もある)
⑤枠に入って枠から飛び出す
(能力を伸ばすにはたくさんの体験が必要、
それは脳にたくさんのイメージを蓄えることになる)
3、わかれば記憶の必要はない
ここでもキーワードは「イメージ」、
記憶とはイメージのつながりであり、
様々な体験が記憶となって脳の中にたくわえられ、
それが知識となり、
相手に説明する時は、
イメージ的に思い出し、相手に分かるように説明できる、
これが賢さや勉強ができるということ。
4、「学習」とは基本的には「わかる」ということ。
そして「わかる」とは「イメージ的にわかる」ということ。
本当にわかっていれば忘れない。
5、子どもは右脳型、大人は左脳型
言葉が未発達な子どもでも、
大人が想像するよりはるかに多くのことを理解している。
言語に頼らずにイメージで記憶したり全体を把握している。
幼児の記憶力のすごさや、トランプの神経衰弱の強さもこれゆえである。
言葉が未熟な分、イメージがまさっている証拠。
簡単ですが以上です。
結局、勉強するときは右脳と左脳をバランスよく使いましょう。
つまり勉強する(わかる、考える、理解する)ということは
「言葉」→「イメージ」→「絵図にする」→「絵図を操作」
「どんぐり問題」の効用そのものですね。
今日の御挨拶です
今年は例年になく、いろいろな人との出逢いがあり、
また悲しい別れもありました。
人は縁で結ばれ、
縁で生かされていることをつくづく実感させられた年になりました。
個人的にはかなりの飛躍の年だったと思っております。
来年は今年以上に飛躍するつもりで、
ジャンジャンバリバリと仕事(=遊び)に精を出します。
どういった人との出逢いがあるのか今から楽しみにしております。
それでは皆様方、よいお年をお迎えください。
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