1818「絵で解く算数文章問題通称『どんぐり問題』の検証」

 

年長用のどんぐり問題、

んー、はっきり言って、年長さんには難しすぎるかな

(はっきり言っていない)。

エキスパートでもこの10数年、

年長さんでこれらの問題全てに対応できたのはほんの数名、
その子たちは家でもお母さんが一生懸命言葉を教え、

漢字を教えていた教育熱心なご家庭。
普通の年長さんの子たちにはこれらの問題は難しいでしょうね。

ただし、

年長用から小学6年生用までの問題を見ると、
個人的には年長用が一番のお気に入り。

一つ一つの言葉からいろいろなことを想像させてくれる。

「空飛ぶお魚さん」
「ありんこのリンコちゃん」
「虹色の風船」
「寝ぼすけのアサガオさん」
「カエルの夜回り君」、など

与えられた言葉からいろいろなことを想像し、
そのイメージを子どもたちがそれぞれにノートに描き
そして問題文にそって絵を描き加えていく。

「~より多い」
「~より少ない」
「~の半分」
「~の2倍」

これらの言葉の意味をどうしたら絵図に表すことができるのか
あーでもない
こーでもないと
悩み(楽しみ)ながら絵図を描く

この作業を通して
しっかりと「視考力」が身についていく。

算数文章問題を解くって、

こういう作業をしていくことなんだということが
自然と身につく

その意味においてはこのどんぐり文章問題年長用は良問と言える。

覚えておいてほしいことは
「視考力」に学年は関係ないということ。

計算力と「視考力」との間には何ら関係はない。

このことをしっかりと頭においてこの文章問題に取り組まないといけない。

 

低学年の子たちからは、

年長用の問題に比べて

1年用、2年用の問題は簡単だという声を子どもたちからよく耳にする。
しかしこれは問題が簡単なのではなく
君たちがいろいろな言葉を理解できるようになった証拠。


言葉の意味が正しく理解できるようになったから

1年生用の問題文が簡単に思えるだけであって、
何も問題の質が簡単になったわけではない。

「~より多い」
「~より少ない」
「~の半分」
「~の2倍」

こういった言葉の意味をイメージでも正確にできるようになった証拠である。

「視考力」

子どもたちのこの能力の成長を見るのは楽しい
ほー、こんなことを考えられるようになったのか、
ヘー、そういった考え方もあるのか、

掛け算をまだ習っていないので、

絵図を描きながら足し算で何とか工夫して解く
また、
割り算の仕方を知らないので絵図を利用して引き算で解く

学校で習っている習っていない
そんなことは関係ない。

言葉の意味を理解できるかできないかが勝負
理解できていれば
それを絵図に表すことができる、またできなければいけない。

この練習
これが大切

 

1年用44問、2年用58問、3年用56問(塾長さんの勝手な厳選です)

解き方の基本は同じ
ただ数字が大きくなったり小さくなったりして計算がややこしくなるだけ

正しく絵図さえ描ければ解ける、

ただその絵図が正しく描けない、

その練習をしていると言える。

この学年の子たちによく言うセリフ

「書かれている言葉通りに絵図を描きなさい。それができればなんでもない問題」と。

しかしこの作業が子どもたちには難しい。

小学1年、2年、3年でこの「視考力」の使い方を習得した子たちはこれからが楽しみ。

高学年になってからの抽象的事項がぐっと増える学習にも難なく取り組めるはず。

 

「どんぐり文章問題4年用」は42問(これもまた塾長さんの勝手な厳選)

年長用から小学3年生まで出題された同類の問題をカットするとこの問題数になった。
必ずしも100問なければならないということもなかろう。

小学4年生になって初めてどんぐりの文章問題にチャレンジする子は最初戸惑う。
当り前と言えば当たり前

問題文に出てくる言葉
「ヒカルピョンって何?」
「ニョロって誰?」
「デンデン小学校ってどこ?」

現実的な算数文章問題にしか出会っていない子どもたちは
いろいろな言葉で表現された問題文に抵抗を感じ、
またその問いの複雑さに拒否反応を示す。

しかし1年・2年・3年とこのての問題をやってきた子たちは

楽しんで問題を解こうとする。

この差はどうして生じるのか。

想像し工夫することの楽しさを経験したかしていないかの差か。

それとも
そもそも算数文章問題というのは、
単に答えを出せばいいと思っているのか、
そう教え込まれているのか。

しかしどんぐり問題をやってきている子は違う。
楽しむことを優先する。
そしてその先に答えが出れば言うこと無し

その違いかもしれない

また4年生ぐらいになると
この子は
どんぐりの文章問題にあっているかあっていないかも見えてくる
向き、不向きはやはりある。
それはそれで仕方がない
どんぐりの文章問題も万能薬ではない

そのときはその子にあった算数文章問題を提供するだけのことである。

個人的に言えばどんぐりの文章問題は解ける子になってほしい。

 

5年生になると(44問、これまた少ないかな)、
割合を絡めた問題、連立方程式の問題が新たに加わる

6年生になると(62問、これぐらいが妥当)、
割合の問題、比の問題、速さの問題が追加される

中学生になるまでに
割合・比・速さの問題をクリアしてほしい
その願いが込められた問題構成になっていると言える。

以上
小学1年生用から小学6年生までのどんぐり文章問題約300問、
(少ないと思われる方は、同じ問題で違った解き方を考えてみるのもいい)

絵図を描いてこれらの問題に取り組んだ子どもは
中学生になっても
数学には困らないと言える。

 

以上が「絵で解く算数文章問題通称『どんぐり問題』」の検証でした。

最後までおつきあいありがとうございました。

 

 

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