「頭の回転が早い? 頭の回転が速い? さてどっち?」

 

今回は

「同訓異義語」のお話を少し。

 

 

〈速い〉と〈早い〉の使い分け、

みなさんどう使い分けていますか。

 

 

どういうときに〈はやい〉という言葉を使うか、

考えてみましょう。

 

 

〈いつもよりはやく目覚めた〉

 

このときは

普段は7時ごろに目覚めるのに、

今朝は6時に目覚めた。

これが

〈いつもよりはやく目覚めた〉ですね。

 

 

〈はや咲きの梅〉

 

これは

はやく咲く品種、

十一月とか十二月に咲く梅を意味するので

〈ある時刻や時期より前だ〉という意味です。

 

〈子供が予定よりもはやくできちゃった〉

 

も来年あたり産もうと思っていたのに、

予定よりはやくできちゃった、

というわけで、

〈ある時刻や時期より前だ〉というときの

言い方ですね。

 

 

〈五・十日(ご・とうび)は道が混んでいるので、

車より電車で行った方がはやい〉

というときは

〈時間がかからない〉っていう意味ですね。

 

以上のことをもう少しまとめてみると、

 

早く目覚めた

早咲きの梅

予定より早くできた

電車で行った方が早い

 

以上は

「速い」より「早い」と書いた方がいいみたいです。

 

ただ最後の例文の

〈電車で行った方が早い〉は

到着時間の問題なのか、

走る速度の問題なのか、

ちょっとややこしいかも。

 

だけど普通は

時間的に早く着くという解釈で

〈早〉を使うと思います。

 

結局、簡単に割り切るためには、

 

〈速い〉は、

スピードがある様子をいうとき、

A地点からB地点までの距離を

通過する時間、

すなわち〈速度・スピード〉に

関係するときに使う。

 

 

〈大谷投手の投げる球は速い〉というときは

まさしく〈速い〉ですね。

 

それに対して、

〈大リーグ入りしたのはイチロウ選手の方が早い〉

というときは、

〈早い〉と書きます。

 

〈速い〉は〈スピード〉のときだけに

使うことばだと覚えておけばいいでしょう。

 

 

そこでこのブログの題目である

〈頭の回転がはやい〉を考えてみましょう。

 

〈回転がはやい〉は

A地点からB地点までの距離を通過する時間を

言っている意味ではないですね。

 

 

この子は〈するどい〉とか

〈敏感だ〉という意味ではないでしょうか。

 

 

〈頭の回転がはやい〉を

〈この子はするどい子だ〉とか〈敏感だ〉と

言い換えてみれば分かり易いでしょう。

 

こう解釈すれば

〈頭の回転が早い〉と書いて間違いないです。

 

ちなみに

〈この品物は回転が早い〉も、

 

仕入れた品物が

すぐ売れてなくなってしまうことを言っているので

やはり

〈回転が早い〉ですね。

 

「同訓異義語」って

面白いでしょ。

 

難しいけどね。

 

以上、

下村昇さんの言葉を引用しながら

書かせてもらいました。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!